スケッチの部屋

水彩絵の具を鞄に忍ばせて、町を歩いてみる。
何気ない景色にもそこには大切な記憶が込められている。
今描いておかなければ、次には無いかもしれない。


《佐原 与倉屋倉庫群》
約三千坪の土地に所狭しと立ち並ぶ大倉庫群。
元々は酒、醤油造りの建物で、江戸期のものも。
灰褐色で思い思いに反った下見板。
危うげな美しさに心惹かれる。

《佐原 ブリキ店》
硝子戸の硝子にエッチングで描かれた
"ブリキ店"の文字がかわいい。
今はトタンで覆われてるが、元は萱葺き。
なんでも江戸期の建物らしい。

《佐原 福新・小堀屋》
江戸・明治・大正の建物が軒を連ねる千葉県佐原市。
左から福新呉服店・蕎麦屋の小堀屋本店。
三軒目のお店が覆いを剥がせば往年の景色が蘇るだろう。
今度訪れた時はそうなっているかもしれない。
佐原はそんな町だ。

《文京区 カテドラル大司教館》
丹下健三設計の
東京カテドラル聖マリア大聖堂の裏手に
ひっそりと佇む大司教館。
階段下のアーチが素敵だ。

《早稲田 看板建築》
早稲田で珍しく4件続きで残っている看板建築。
右から2件目の戸塚軒さんはもう営業していないようだ。
ドリス式オーダーが誇らしい。
(2004年12月28日焼失)

《佃天安》
佃といえば、佃煮。建物もいいが、味もよし。
スケッチをしている最中も
お客さんがひっきりなしに訪れる。
それにしても、この日除け最高。

《佃 高瀬商店》
昭和6年築。出桁造り。
駄菓子中心の雑貨屋さん。
空の狭さを見てもわかる通り、
周りはすっかり開発され商売にはならないらしい。
しかし、店主は今も子供達が求める商品の
買出しに自転車を走らせるという。
頑張ってください。

《横浜貿易協会》
海岸通りにある昭和初期のRC三階建。
今もバリバリの現役で、
飲食店が軒を並べ活気に溢れている。
やはり建物は使われてこそ生きるもの。
なんだか嬉しくなってくる。

《室生寺五重塔》
平成10年9月の台風による損壊から
見事に立ち直った美しい五重塔。
時期を過ぎた石楠花が名残惜しそうに咲いていた。

《上諏訪駅裏の洋館》
上諏訪駅の北口から甲州街道を渡った裏通りに
おそらく昭和初期に建てられたと思われる洋館があった。
元は医院か?和洋折衷の佇まいに建て主の思いを偲ばせる。

《上諏訪 舞姫酒造》
この付近には幾つかの酒蔵が集まっている。
毎年3月にはその蔵々を飲み歩くイベントがあるらしい。
いいねぇ、また来よっと。

《上諏訪 亀屋小路》
甲州街道をしばらく東に歩く。
亀屋小路か・・・。いい名前だ。
ずっと小路のままでいて欲しい。

《竹原》
広島県竹原市。
保存地区から外れた場所にあるこの景色も
いずれなくなる運命か?
ここ結構好きなんだけどな。

《狭山茶工場跡》
埼玉県狭山市。
狭山茶の工場だった建物。
昔は活気ある音と共に、
お茶のいい香りがこの辺一帯にたちこめてたはず。
何故か気になる建物だ。

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